【読書記録】英国一家、日本を食べる(マイケル・ブース)
英国一家、日本を食べる (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)
- 作者: マイケル・ブース,寺西のぶ子
- 出版社/メーカー: 亜紀書房
- 発売日: 2013/04/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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Kindle版 ⇒ 英国一家、日本を食べる 亜紀書房翻訳ノンフィクション
いきなりこう書いてしまうと身も蓋もないのだが、「翻訳本は苦手」である。
どんなに上手い訳でも、日本語としての不自然さが鼻についてしまい、文章を味わうことが出来なくなってしまうのだ。(あんなに文体が好きな村上春樹でも、翻訳ものは受け付けない)
本書は英国の(恐らく)著名な「トラベル・フード・ジャーナリスト」マイケル・ブース氏による、100日間にわたる日本の「食」に関する紀行エッセイ。
その足跡は、新宿は思い出横丁の焼きそばや焼き鳥、札幌はラーメン横丁の塩バタコーン、大阪のお好み焼きや串かつ、博多のとんこつラーメンなどの所謂「庶民の味」から、一般的な日本人では到底経験できないような京都の一流懐石、銀座「壬生」、ビストロSMAPの撮影現場、日本の食の東西の巨匠である服部幸應氏及び辻芳樹氏との面談など多岐に亘る。
それらを如何にもイギリス人らしい皮肉とユーモアを交えながら、著者なりの日本食論を展開していく。
同行したご家族(奥さんと6歳と4歳の息子さん)とのやりとりも含め、なかなか興味深い読み物となっているのだが、冒頭の理由によりイマイチ入り込めない。
原作を原文のまま読めればよいのだが、私の英語力では如何ともしがたい。(原作はもっと猥雑なジョークが織り込まれているらしい)
こんなことしか書けないのなら、もう翻訳ものには近づかない方が良いのだろう。
これをブログに上げてしまうことにも後悔するが、今年100冊の読書記録を残す......という目標を立ててしまったので、この恥も修行の一環として受け容れざるをえない.
蛇足だが、このソフトカバーの本に2000円は率直に言って流石に高過ぎだ。
あと、知らなかったのだがNHKでアニメ版が放映されて、なかなかの評判だったようなので、そっちは機会があれば観てみたいと思う。
★★★☆☆
【読書記録】私情対談(藤崎翔)
元(売れなかった)お笑い芸人で、苦節の末に「神様の裏の顔」で横溝正史ミステリ大賞を受賞した、藤崎翔の受賞後第一作。
人気アイドル、花形スポーツ選手、売れっ子作家、新進ミュージシャンなどの華やかな登場人物が、例外なくみな悪人......そして、二転三転の「どんでん返し」ありのサスペンス・エンタテイメント小説。
この作品の秀逸なところは、ストーリーのアイディア。
伏線の逆張りとも言うべき、意外性が小気味良い。
登場人物のキャラ付けが甘いとか、もう少し「恐怖感」や「緊張感」を醸しした方が作品に深みが出るとか、エンディングが弱いとか、細かい突っ込みどころはあるが、全体としてはなかなか楽しめた。
これが2作目と、まだ若い作家なので、今後たくさん書くことによって、良質のエンタテイメント小説を書けるよう期待している。
★★★☆☆
【読書記録】草雲雀(葉室麟)
葉室麟の作品は、クソが付くほど真面目な登場人物が多く、好きな作家なのだけど、正直に言うと、説教臭さが鼻につく作品も無くはなかった。
本作の主人公も、例によってクソ真面目なタイプなのだが、ストーリーは葉室作品の中では、極端にエンタテイメントに振れたものとなっている。
そしてこれが無茶苦茶面白いのだ。
友情、夫婦愛、正義、そして勝利!を、氏としては珍しいまでのスピード感で描く.......そのまま漫画化して少年ジャンプで連載しても、全く違和感がない。
こういう肩ひじ張らないエンタテイメント小説.........これが氏の新境地となるかはわ分からないが、私はとても好きである。
★★★★★
因みに「草雲雀(クサヒバリ)」とは直翅 (ちょくし) 目クサヒバリ科の小形のコオロギ......だそうである。
※上記画像をクリックするとリンク先に飛びます........素敵な鳴き声です♪
【読書記録】あなたは、誰かの大切な人(原田マハ)
実はちょうど去年の今頃読んだ本.......気付かずに、図書館でまた借りてしまった(笑)
こういうことがないように、5年くらい前から読んだ本は、「ブクログ」というWebサービスで記録しているのだが、ただ登録するだけだとやはりこういう事故は起きてしまう。
きちんと本の題名・内容を記憶に残すためにも、こう云うふうにテクストに残すことは意義があるだろう。(お金出して購入した訳ではないので、実害がある訳ではないが.......)
まぁ、せっかくなので(ストーリーではなく)文章を味わいながら再読。
いずれも50歳前後の女性が主人公の、静かに淡々としながらも、ほんの少し心の温度が上昇するような作品を集めた短編集。
作者はキュレーターでもあり、特に短編ではアートを題材にした作品が大半を占めるのだが、この短編集ではアート関連は6作中3作しかなく、さまざまな職業、立場の女性が主人公となっている。
その結果、氏の他の短編集よりバラエティに富んだストーリーを楽しめ、なかなかの佳作だと再認識した。
★★★★☆
それはそうと、氏の最新作「ロマンシエ」は個人的には、かなりのおススメである。
【読書記録】呪文(星野 智幸)
斜陽商店街の再生物語として始まるが、徐々に不穏な雰囲気を漂わせながらストーリーは展開していく。
とあるトラブルを機にネットを介したヘイトスピーチが始まり、商店街がピンチに襲われるが、商店街の若きリーダーが、ブログやSNSを通じたムーブメントを起こし、これを退ける。
簡単に言うと、やがてこれが暴走を始めて、云々.......というお話なのだが、その暴走が露見し始めるあたりから、前述のある意味「文学的な」不穏さに代って、漫画チックで分かりやすい狂気の表現でしかなくなってしまうのがとても残念だ。
またその割に、多くのことが殆ど回収されないままに終わる結末も、なんだか釈然としない気持ちが残る。
もちろん作者は何らかの意図があって、このような展開・エンディングにしているのだろうが、私の読解力ではこれを味わうことは出来ない。
この小説、一般読者のネットでの評判はあまりよくない反面、新聞書評欄などのプロによる評価はおしなべて高い。
【ネットの評判】
【新聞の書評】
- 今週の本棚:鴻巣友季子・評 『呪文』=星野智幸・著 - 毎日新聞
- 呪文 星野智幸著 商店街の物語が大きな主題へ|アート&レビュー|NIKKEI STYLE
- 【書評】書評家、石井千湖が読む『呪文』星野智幸著 情報社会で扇動される人々 - 産経ニュース
このことからも、やはり私が私の読解力の問題なのだろう。
まぁ、いろいろと残念である (´・ω・`)
★★☆☆☆
ダイエット.........今年の目標(その2)ヽ(・∀・)ノ
いきなりであるが、ここ半年くらいダイエットが順調である。
グラフにすると数値がブレブレで良くわからないので、月ごとの平均値にしてみると以下のとおり。
月 | 体重 | 体脂肪率 | 体脂肪 |
---|---|---|---|
10月 | 62.7kg | 20.8% | 13.0kg |
11月 | 62.7kg | 20.6% | 12.9kg |
12月 | 62.2kg | 20.5% | 12.8kg |
1月 | 61.6kg | 20.0% | 12.3kg |
2月 | 61.4kg | 18.6% | 11.4kg |
3月 | 60.7kg | 18.2% | 11.0kg |
この半年で、体重も体脂肪(=体重×体脂肪率)も、ちょうど2キロ減っている......ということは、筋肉等を減らさずに脂肪だけを減らすという、理想的なダイエットが実現できている計算になる(自慢w)
因みに、ここ数年の体重の変遷は以下のとおり。
- 走り始める直前(13年前)は、煙草を止めた影響もあり、体重78kg前後の人生最大のデブ。(当時まだメタボという言葉はなかったが、明らかにメタボ。)
- ランナーとしてピーク(フル3時間18分、ハーフ1時間28分)だった7・8年前は体重59kg、体脂肪率15%(体脂肪9kg弱)
- 単身赴任の終了、往復4時間長の長距離通勤、鵞足炎、鎖骨骨折などが重なり、昨年夏頃には体重65kg近く、体脂肪率24%前後と、再びメタボの危機!
(鵞足炎を拗らせて全く走れなかった3年くらい前に、一度ダイエットを決意したことがあったが、敢えなく半年程度で途中で断念w)
ランナーとしてバリバリ頑張っていた頃は、毎月300キロを目標に走っていたので、ダイエットなんか意識しなくても面白いくらいに体重は減っていった。
しかしながら今は、職住至近の単身赴任時代と違い、前述のように通勤に往復4時間以上かけているので、基本休日のみので月150キロ程度しか走れない......そうなると、あとは食べる方で調整するのみである。
そこでここ半年くらい、以下のような食生活を基本としている。
- 朝食は基本納豆と味噌汁のみ。(たまに納豆の代わりに冷奴や卵料理など)
- 昼食は自由に食べるが、ご定食系の場合は「ごはん少なめ」、蕎麦などの場合はご飯系とのセット不可 & 極力揚げ物は避ける。(ラーメンは月2回程度に抑える)
- 晩飯は結婚以来25年以上、晩酌&おかずのごはん無しなし。
- 腹八分目を常に意識・実践するが、たまに(?)暴飲暴食でストレス発散する(笑)
(朝食の代表例ですw)
鎖骨骨折からのラン再開とほぼ同時期に上記ダイエットを開始し、最初の2ヶ月は記録を取っていなかったのだが、その後10月からの成果は上記のとおり。
美しくないので画像は晒さないが、お腹周りも明らかにスッキリしてきた。
実は先日、「今年の目標(その1)」というエントリを書いて、その中で「長くなるので(その2)は稿を改める」として、2週間も経ってしまった (´・ω・`)
tamu2822.hatenablog.com
.....という訳で、せっかく順調なダイエット、数値目標を明確にして、これを「今年の目標(その2)」にすることとした。
で、具体的数値目標はこれ!
12月末までに体脂肪をあと2キロ落とす!
3月の平均値をベースとし、多少筋肉も増やす前提で、目安として
体重59.0kg、体脂肪9.0kg(体脂肪率15.2%)
を目指したい。(筋肉量が増えるなら体重はあまり気にせずに、あくまで体脂肪のグロスを目標としたい)
有名な話なのでご存知の方も多いと思うが、ブタ並である(笑)
matome.naver.jp
【読書記録】復讐屋成海慶介の事件簿(原田ひ香)
2007年のデビュー(すばる文学賞受賞)以来、単行本は年1冊出すか出さないか程度だった原田ひ香が、一昨年あたりから急に精力的書くようになった。
2014年は2冊、2015年は「三人屋」「ギリギリ」そして本作と3冊を刊行。また2016年は1月から日経夕刊のコラムを週一で掲載している。
前から注目しているファンとしては嬉しい限りである。
似た名前の女流作家に原田マハがいて、彼女もここ数年のお気に入りの作家なのだが、その「マハ」氏に比べると「ひ香」氏は作品の当たり外れは少なく、どの作品も水準以上の面白さがある。
その反面、これぞ彼女の代表作と呼べる、強い印象を残す作品がない。
本作もおどろおどろしいタイトルとは裏腹に、ハートウォーミングで、非常に後味の良い読後感を与えてくれるかなりの佳作である。
ただ、先ほども書いたように、そろそろ原田ひ香の代表作といわれるようなインパクトのある作品をファンとしては渇望している。
★★★☆☆