【読書記録】復讐屋成海慶介の事件簿(原田ひ香)

 

復讐屋成海慶介の事件簿

復讐屋成海慶介の事件簿

 

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2007年のデビュー(すばる文学賞受賞)以来、単行本は年1冊出すか出さないか程度だった原田ひ香が、一昨年あたりから急に精力的書くようになった。
2014年は2冊、2015年は「三人屋」「ギリギリ」そして本作と3冊を刊行。また2016年は1月から日経夕刊のコラムを週一で掲載している。

前から注目しているファンとしては嬉しい限りである。

似た名前の女流作家に原田マハがいて、彼女もここ数年のお気に入りの作家なのだが、その「マハ」氏に比べると「ひ香」氏は作品の当たり外れは少なく、どの作品も水準以上の面白さがある。
その反面、これぞ彼女の代表作と呼べる、強い印象を残す作品がない。 

本作もおどろおどろしいタイトルとは裏腹に、ハートウォーミングで、非常に後味の良い読後感を与えてくれるかなりの佳作である。

ただ、先ほども書いたように、そろそろ原田ひ香の代表作といわれるようなインパクトのある作品をファンとしては渇望している。

★★★☆☆