最近読んだ本(「それを愛とは呼ばず」桜木紫乃 他)

正月休みはバタバタして全く本を読まなかったので、今年はまだ次の2冊。


それを愛とは呼ばず

それを愛とは呼ばず

桜木紫乃氏の作品を読むのは、直木賞受賞作の「ホテルローヤル」以来2作目。
本作も直木賞受賞作同様、絶えず漂うモヤモヤとした不穏さが、とても私の好みである。
ただ本作は、最後の最後で、キチンとその不穏さのタネ明かしがされている。
この種明かしされた不穏さの正体が果たして「狂気」なのか、はたまた題名にあるとおり「愛」なのか.......そこがこの作品の肝なのだろう。
ありきたりだが、私としてはやはりこれは「愛とは呼べない」.....な。


阿蘭陀西鶴

阿蘭陀西鶴

朝井まかて氏も読むのは、直木賞受賞作「恋歌」に続き2冊目。
恋歌」は主人公・中島歌子の生き様と氏の筆致がいい感じにマッチして、非常に迫力のある作品となっていたのだが、本作では主人公・井原西鶴と氏の真面目な書体がいまいちマッチしていない感があり少し残念だ。
キャリアの割には実力のある作家だと思うので、少し辛めの評価だが、今後にはとても期待している。