最近読んだ本(『死にたくなったら電話して』李龍徳 他)
先週読んだのはこの2冊。(今年累計15冊)
- 作者: 李龍徳
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2014/11/20
- メディア: 単行本
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上記 Amazon のリンク先で選考委員の御歴々が絶賛しているとおり、大した新人であり、また極めて強い毒をもつ小説であるものの、紛れもない傑作だと思う。
主人公・徳山は3浪の冴えない受験生、彼の目をとおして描かれるが、物語の中心はヒロインの初美。
初美はエキセントリックではあるものの、とても魅力的な少女である。
しかしながら徳山を破滅へと誘う悪意?は、ある意味とても痛快だ。(以下、ややネタバレあり、注意)
せっかく合格した大学を断念せざるを得なくしたのも、恐らくは初美の仕業だろうし、徳山の外の世界との最後の繋がりであった、バイト先の先輩からの徳山を気遣うメールに対し、初美が悪意溢れる内容で代筆・返信し、容赦なく切り捨てる。
そして最後、徳山の最後の希望であった初美との結婚を、とある理由によりいとも簡単に打ち砕き、これで一丁上がり。
結末は明確に示されないものの、主人公・徳山としての展開は更には何も望めない以上、これでいいのだろう。
独特の耽美的な世界観で読者を圧倒する作品。
万人にオススメできるものではないが、小説好きには是非一読をオススメしたい小説である。
★★★★★
- 作者: 川上健一
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2013/02/01
- メディア: 単行本
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小笠原・父島を舞台とした、小5の主人公と小6のヒロインが、島の老人たちのふれあいを通じて成長する物語。
安定の川上ワールドであり、老人たちは非常に魅力的に描かれるのだが、主人公とヒロインにイマイチ勢いがないのが残念。
★★★☆☆
余談だが、このブログを読んで頂いているうちの半数以上を占めるであろうランナーの皆さんには、川上健一の初期の秀作「ららのいた夏 (集英社文庫)」はオススメである。
単純に感動して、単純に泣いて頂きたいヽ(・∀・)ノ
- 作者: 川上健一
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2002/01
- メディア: 文庫
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