【ブックレビュー】『希望(仮) 』(花村萬月)

白い花村萬月......と言うか、ま、彼にしては珍しい、爽やかな系ロードムービー的青春冒険譚。
で、タイトルも「希望」なんてつけようとして、こりゃ柄でないな.....と、照れ隠し的に「(仮)」なんかつけたのか(笑)......とか思ったりもしたが、そこはしっかり(仮)をつけるべき立派なオチはついている。

もちろん花村萬月なんで、暴力とセックスはキチンと描かれているのだが、それも今回はかなり控えめで、氏の小説のエグさが苦手な方にも、それなりの萬月ワールドを楽しんでいただけるだろう。

あと、秀逸なのは「あとがき」で、これのおかげで、氏の古くからのファンも納得できる作品になっているのではないかと、思ったりもする。

ま、でも、花村萬月.......きほん全然変わらないよな(笑)