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【読書記録】ドール(山下紘加).....装丁に騙された(笑)......が

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ドール

ドール

  Kindol版 ⇒ ドール

僕はユリカを愛していたんです。愛なんです。先生とか、クラスの連中には、わからない愛。僕は真剣でした。真剣なことを、気持ち悪いなんて言わないで欲しい。時代を超えて蠢く少年の「闇」と「性」への衝動。
第52回文藝賞受賞作。
ドール | 山下 紘加 | 本 | Amazon.co.jp より

うーん.....これは重たい。

正直に言って装丁に騙された(笑)

性的嗜好の多様性は基本的には認めるし尊重する。(「性的嗜好」と「性的指向」は全く意味が違うので要注意!)

「狂気」や「心の闇」を描く小説も好きだ。

ただ上記に加え、「サイコパス」「中学生」「いじめ」などのワードが絶妙な加減に絡んできて、なんとも陰湿な小説となっている。

因みに作者は1994年生まれの弱冠21歳の女性......こういうストレートで容赦無い描写は若い女性ならではのものかもしれない。

氏のインタビューも興味深い。 magazine.moonbark.net

もちろん文藝賞受賞作だけあって、その筆致は確かなものがあり、決して奇をてらっただけの作品ではない。

読者に阿らない骨太の作品に、彼女のような若い作家が挑む姿勢は気持ちいいし、それを世に知らしめる意味で、純文小説にとって「賞」の存在はつくづく大事だと思う。

また違ったタイプの小説も読んでみたく、今後大いに期待のもてる新人の登場である。