読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

【読書記録】ファミリー・レス(奥田亜希子)......ここまでのベスト、次の長編が楽しみ

book

ファミリー・レス

ファミリー・レス

  Kindle版 ⇒ ファミリー・レス (角川書店単行本)

姉と絶縁中のOLと、ルームメイトの毒舌女子。怒りん坊の妻と、そんな彼女を愛しているけれど彼女のかぞくに興味を持てない画家の夫。バツイチのアラフォー男性と、妻に引き取られた娘。ほんとうの親子になりたい母親と、姉の忘れ形見の少女。同じ屋根の下で暮らす女ともだちや、ふたつきに一度だけ会う親子。家族というには遠すぎて、他人と呼ぶには近すぎる――単純なことばでは表せない現代的な"かぞく"の姿を、すばる文学賞受賞新鋭が切り取りました。瀧井朝世、豊崎由美東えりかなど本読みたちが大絶賛! 紡がれるひと言ひと言が心を揺さぶる、感涙必至の短編集。
ファミリー・レス | 奥田 亜希子 | 本 | Amazon.co.jp より

日経の書評欄北上次郎が高評価つけていたので手にとった一冊。

初めての作家さんだけどなかなかの力作だ.....なんて思いながら巻末の著者略歴を見たら奥田亜希子さん、すばる文学賞を受賞した「左目に映る星」も、次作の「透明人間は204号室の夢を見る」も読んでいた.......申し訳ない m( )m

自分にとってでは、前2作は作者の名前を覚えられない程度の印象だったのだろうが、そんな事実に少し驚きを覚える程、今回の短編集は面白かった。

本作の登場人物は、不幸、もしくは不幸まではいかなくても現状に不満ややるせない思いを抱いている人達だ。

その彼ら彼女らが見出すささやかな希望や救い、そして許しを、ウェットになり過ぎない距離感を保ちながらも、包容力豊かに描き上げる。

心情の機微を切り出すその上手さが、今回短編という形において特に際立ったのだろう。

とは言え前2作に比べて小説家としての力量は、分かりやすいレベルで上がっていることがうかがえるので、次の長編がとても楽しみだ。