【読書記録】呪文(星野 智幸)
斜陽商店街の再生物語として始まるが、徐々に不穏な雰囲気を漂わせながらストーリーは展開していく。
とあるトラブルを機にネットを介したヘイトスピーチが始まり、商店街がピンチに襲われるが、商店街の若きリーダーが、ブログやSNSを通じたムーブメントを起こし、これを退ける。
簡単に言うと、やがてこれが暴走を始めて、云々.......というお話なのだが、その暴走が露見し始めるあたりから、前述のある意味「文学的な」不穏さに代って、漫画チックで分かりやすい狂気の表現でしかなくなってしまうのがとても残念だ。
またその割に、多くのことが殆ど回収されないままに終わる結末も、なんだか釈然としない気持ちが残る。
もちろん作者は何らかの意図があって、このような展開・エンディングにしているのだろうが、私の読解力ではこれを味わうことは出来ない。
この小説、一般読者のネットでの評判はあまりよくない反面、新聞書評欄などのプロによる評価はおしなべて高い。
【ネットの評判】
【新聞の書評】
- 今週の本棚:鴻巣友季子・評 『呪文』=星野智幸・著 - 毎日新聞
- 呪文 星野智幸著 商店街の物語が大きな主題へ|アート&レビュー|NIKKEI STYLE
- 【書評】書評家、石井千湖が読む『呪文』星野智幸著 情報社会で扇動される人々 - 産経ニュース
このことからも、やはり私が私の読解力の問題なのだろう。
まぁ、いろいろと残念である (´・ω・`)
★★☆☆☆