最近読んだ本(『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』山田詠美 他)

先週読んだのはこの2冊。(今年累計13冊)

長男の事故死をきっかけにアル中となった母を中心に、長女、再婚相手の義父、連れ子の義弟、再婚後生まれた末娘をめぐる家族の物語。

非常に難しいテーマであり、山田詠美をもってしてもイマイチ消化不良に終わったように感じられた。

サイドストーリー的に子供たちそれぞれの恋愛が描かれているのだが、ここらへんは流石に上手い!
恋愛を小説的言葉で語らせたら、山田詠美の右に出るでる作家はいないと思う。

ただ、この小説の主題である家族関係の描かれ方が、それらのサイドストーリーに比べ、深みに欠けるような気がする。

もっと家族関係の方に集中して描き込めば、骨太の良い小説になったような気がして、やや残念である。

★★★☆☆

穴

2013年下半期の芥川賞受賞作の表題作他2篇。

独特な不穏感を漂わせながらも読みやすい文章を書く。

不穏さの方向性は違うが、井上荒野に少し似ているかもしれない。

'83年生まれの2010年デビュー......これからが楽しみな作家である。

★★★★☆