今週読んだ本

わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)

わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)


先週読んだ『ていねいなのに伝わらない「話せばわかる」症候群 (日経ビジネス人文庫)』が面白かったので、続けて平田オリザ氏のコミュニケーション論を読んでみた。
要旨としては、

  • 「コミュニケーション」とは、「心からわかりあうこと(=シンパシー)」ではなく、「わかりあえないところからスタートして、「対話」を重ねることによって、わかりあえる部分、共有できる部分をみつけ、そして広げていくこと(=エンパシー)」である。
  • しかしその、粘り強く「対話」を重ねることは、環境的に、そして歴史的に日本人が備えてこなかった(対話の基礎体力がない)部分であり、今後国際化された社会の中で生きていく上で、意識して強化していかねばならない。

......ということで、キホン『ていねいなのに伝わらない「話せばわかる」症候群 (日経ビジネス人文庫)』と同じ論調である。
しかし本書は、劇作家、演出家の観点、また教科書やワークショップを通じた学校教育の現場を通した観点、また大阪大学コミュニケーションデザイン・センター教授として医学やロボット工学からの観点.....など、様々な視点から、わかりやすく、かつ興味深いコミュニケーション論が展開されており、まったく飽きさせない。
実際、面白くて三度読みしたくらいであり、一言で言って、これを新書、740円で読めるのは、めちゃお買い得な「良書」である......おすすめ度☆5ヽ(・∀・)ノ